益戸育江の人生において最も大きな社会的バッシングを浴びたのが、2016年10月の逮捕劇です。直前の同年7月、彼女は新党改革から参議院議員選挙(東京都選挙区)に「高樹沙耶」の名義義で立候補し、「医療用大麻の合法化および研究推進」を公約の柱に掲げて落選していました。
それからわずか3ヶ月後、石垣島の自宅兼ロッジに厚生労働省麻薬取締部(マトリ)の家宅捜索が入り、乾燥大麻約55グラムが押収され、同居していた男性らと共に現行犯逮捕されました。裁判において彼女は一貫して「自分の所持物ではない」と無罪を主張したものの、共同所持と認定され、懲役1年執行猶予3年の判決が下されました。
当時、ワイドショーやネット上では「大麻推進を掲げていた本人が大麻を吸っていた」という強烈なアイロニーとしてセンセーショナルに報道されました。しかし、本人の主張や公判記録を精査すると、彼女の根底にあったのは快楽目的の乱用ではなく、欧米等で進む医療用カンナビノイド(CBD等)の難病治療効果や、産業用ヘンプの環境負荷低減に対する過度な心酔でした。自らの理想を急進的に社会実装しようとするあまり、日本の法制度や世論の受け止め方との決定的な乖離を生んでしまった現実が浮き彫りになっています。