アニメ史に残る名シーンとなった最大の要因は、孫悟空役の声優・野沢雅子氏による圧倒的な怪演にあります。
関係者の回顧録や当時のインタビューにおいて、野沢氏は悟空の感情と完全にシンクロしてアフレコに臨んでいたことが明かされています。「クリリンのことかーっ!!!!!」と叫ぶシーンの収録では、スタジオ内の空気が一変し、野沢氏自身が血管が切れそうなほどの全力を注ぎ込んだと語られています。マイクが音割れする寸前の生々しい咆哮は、テストなしの一発録りに近い緊張感の中で生み出されました。
また、フリーザ役の中尾隆聖氏が醸し出す冷酷無比な残虐性が、野沢氏の怒りの演技を極限まで引き出したことも見逃せません。長年にわたり対峙し続けた名優同士のぶつかり合いが、30年以上経過した現在でも色褪せない伝説の音響空間を作り上げました。