こうした配信プラットフォーム中心の地殻変動に対し、最も強硬な姿勢を取り続けているのがクリストファー・ノーランをはじめとするフィルムメーカーたちだ。ノーランが映画館での体験に徹底してこだわり、配信ファーストの戦略に異を唱え続けていることは周知の事実だが、その思想的対立はいまやスタジオ全体の再編問題にまで飛び火している。
特にHBO Maxを展開するワーナー陣営内部では、ノーランのような純粋主義者を繋ぎ止めるための「劇場ファースト」路線と、加入者増を至上命題とする「配信最適化」路線が真っ向から対立。経営陣の優柔不断な判断によって、進行中だった複数の大型企画が暗礁に乗り上げる事態へと発展している。現場スタッフが明かしたメモには、度重なる方針転換によって浪費された数千万ドル規模の開発費の実態が赤裸々に記されていた。