南米大陸の西側に沿って走るアンデス山脈は、世界的にも屈指の地震多発帯だ。今回の地震は、太平洋側のナスカプレートが南米プレートの下へと沈み込む複雑なプレート境界部で発生した。通常、震源が100キロメートルを超える深発地震は地表での揺れが減衰しやすい。しかし今回は、特定の地質構造を通って揺れのエネルギーが遠方まで効率よく伝達される「異常震域」に似た現象が観察された。
専門家は、ブカラマンガネストと呼ばれる世界的に有名な地震活動集中帯が関与していると指摘する。この地域は地球内部の応力が集中しやすく、過去にも中規模以上の地震が頻発してきた。地球物理学者のアナ・シルバ博士は「震源が深かったことが幸いして壊滅的な津波の発生は免れたものの、陸上でのエネルギー伝達パターンが極めて特殊だったため、広範囲にわたる長周期地震動を引き起こした」と分析している。