看板メニューであるボルシチは、まさに時間をかけて仕込まれた芸術品だ。ビーツの鮮やかな深紅のスープには、牛すじやフレッシュな野菜の旨味が凝縮されており、一口含んだ瞬間に豊かなコクが口いっぱいに広がる。添えられたサワークリーム(スメタナ)を溶かせば、爽やかな酸味とまろやかさが加わり、スープ全体の味わいが劇的な変化を遂げる。
そしてボルシチと並び称されるのが、黄金色に揚げられた焼き立てのピロシキだ。外側はサクッと香ばしく、中はモチモチとした生地の中から、ジューシーな肉汁と絶妙なスパイスが香る具材が溢れ出す。揚げる油の温度から生地の発酵時間にいたるまで、職人の長年の勘と技術が凝縮された逸品であり、一度味わえばその違いは歴然である。