葉が丸まった際、最も判断に迷うのが「水が足りないのか」それとも「肥料が効きすぎているのか」という点です。ここを誤って「水不足だ」と勘違いし、肥料入りの培養土にさらに液肥を流し込むと、浸透圧によって根から水分が奪われる「肥料焼け」を引き起こし、株を枯死させる引き金になります。
プロの現場で用いられている、水不足と肥料過多(チッソ過多)の明確な判別基準は以下の3点です。
1. 水不足の決定的な見分け方
水不足の場合、葉が丸まるだけでなく、株全体の張りが失われて「生長点付近の茎が下を向く」「葉柄(葉の柄)が下垂する」という脱水症状を伴います。また、土壌表面が白く乾燥し、鉢を持ち上げたときに重さが著しく軽くなっています。この状態で早朝または夕方に底穴から流れ出るまでしっかりと潅水すると、2〜3時間以内に葉の張りが回復するのが特徴です。
2. 窒素過多(肥料過多)の決定的な見分け方
一方、肥料過多の場合は水が足りているため、葉に十分な厚みと硬さがあり、手で触れるとゴワゴワとしています。葉の色は淡い緑ではなく、黒みを帯びた濃い緑色に変色します。さらに、本来なら真っ直ぐ伸びるはずの先端の茎が「眼鏡のツル」のようにぐるりと円を描いて湾曲したり、茎の内部に空洞ができる「茎エダマメ現象」が見られます。
3. カルシウム欠乏症との複合連鎖
土壌にチッソ(特にアンモニア態窒素)が過剰に存在すると、トマトはカルシウムの吸収を強力に阻害されます。この結果、新葉の縁が茶色く枯れ込む「チップバーン」や、葉が小さく縮れる現象が同時に発生します。果実の先端が黒褐色にへこむ「尻腐れ病」は、この肥料過多とカルシウム欠乏が連動して起きる典型的な二次被害です。