今、日本のフードシーンでは、その土地の食材をその土地で消費する「ローカル・ガストロノミー」が完全に定着した。石庄庵はまさにその先駆者と言える。そばだけでなく、付け合わせに提供される山菜や野菜、そして天ぷらに使われる食材の多くが、秦野近郊の豊かな自然から収穫されたものだ。
物流が発達し、どこでも同じものが食べられる時代だからこそ、この場所でしか味わえない体験価値が高まっている。わざわざ車を走らせ、山間の空気を吸いながら地元の恵みをいただく。この一連のストーリー自体が、現代人にとって最高の贅沢なのだ。