Q1:16歳の老犬が急に徘徊を始めました。サプリメントで本当に治りますか?
A1:壊死した脳神経細胞を再生させて認知症を完全に完治させるサプリメントは存在しません。ただし、アンチノールや高純度DHA/EPA、抗酸化物質などは、脳血流の維持や全身の関節痛を和らげることで、徘徊行動を落ち着かせたり症状スコアを大幅に改善(寛解)させたりする効果が十分に期待できます。まずは自己判断せず、前庭疾患などの他疾患がないか獣医師の診察を受けてください。
Q2:認知症の治療薬セレギリンはどの犬にも効果がありますか?
A2:すべての犬に著効するわけではありません。臨床試験における有効率は約60〜70%とされており、特に発症初期から中等度の段階で高い効果を発揮します。すでに大脳皮質の器質的萎縮が著しく進行している末期段階では、効果を実感しにくいケースがあります。また、既存の持病や併用薬(抗うつ薬や麻薬系鎮痛薬など)との相互作用に注意が必要です。
Q3:夜鳴きが酷く近所迷惑で眠れません。睡眠薬や精神安定剤を使っても大丈夫ですか?
A3:全く問題ありません。むしろ現代の小動物医療では、飼い主の睡眠を確保し共倒れを防ぐためにトラゾドンやガバペンチン、ベンゾジアゼピン系薬剤などの適正使用が推奨されています。薬を使うことに罪悪感を抱く必要はありません。環境調整(円形サークルや日光浴)と並行しつつ、かかりつけ医と相談して愛犬がリラックスして眠れる適量を見つけていくことが大切です。
Q4:前庭疾患と認知症を自宅で見分ける決定的なポイントは何ですか?
A4:発症の「スピード」と「眼振(目の揺れ)」の有無です。前庭疾患はある日突然発症し、目が左右や上下にリズミカルに走る眼振や、激しい首の傾き(斜頸)、回転を伴います。一方、認知症は何ヶ月もかけて徐々に空間認識や性格が変化し、眼振は生じません。突然の転倒や首の傾きが見られた場合は、認知症と諦めず大至急動物病院へ連れて行ってください。