歴史の原点は1949年、初代である井手五郎が創業した「千秋堂」に遡る。当時、周囲に栄えていた炭鉱で働く男たちは、過酷な肉体労働を乗り切るための強烈な塩分と高カロリーな食事を求めていた。安くて旨く、何より腹一杯になる食事を提供したいという一心で生み出されたのが、野菜がタワーのようにそびえ立つこの大盛りスタイルだった。
その創業の精神を継承し、味の純度をさらに研ぎ澄ませたのが二代目の井手宣明氏だ。効率化やコスト削減を至上命題とする現代の外食産業にあって、有限会社井手ちゃんぽんは鍋を振る職人の技術と手作業の仕込みにこだわり続けている。時代が変わろうとも、一杯にかける熱量だけは創業時のまま変わっていない。