日本映画界における企業サスペンスの潮流を決定づけたのは、間違いなく2018年公開の『空飛ぶタイヤ』だった。松竹配給のもと、トラックの脱輪事故で整備不良を疑われた運送会社が、巨大企業の隠蔽構造に風穴を開けるべく立ち上がる。理不尽な力関係に抗う主人公の執念は、働くすべての人の共感を呼んだ。
その熱量を受け継ぎ、さらにエンタメ性を研ぎ澄ませたのが東宝配給の『七つの会議』である。会議室という密室で繰り広げられる怒声、飛び交う書類、そして暴かれる隠蔽工作。日本特有の「組織の論理」と「個人の倫理」の衝突を、スリリングな映像美で描き切った。