テレビアニメシリーズにおいて、特に後半を手掛けたアニメーション制作会社「feel.」の仕事は驚嘆に値する。第3期にあたる『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』では、登場人物たちの視線の揺らぎ、指先の微細な緊張、言葉にならない沈黙の瞬間が見事にアニメーションへと昇華された。
原作の膨大なモノローグをあえて削ぎ落とし、環境音と繊細な作画で心情を語らせる演出手法は、深夜アニメの表現域を一段階引き上げた。プロムの開催をめぐる葛藤や、夕暮れの海岸での決定的な対話シーンなど、張り詰めた空気感の描写は今観ても息を呑む完成度を誇っている。