食品表示法において、食品の品質保持期限には「賞味期限」と「消費期限」の2種類が明確に定められています。どら焼きを安全に食べるための第一歩は、パッケージに記された文言がどちらであるかを正しく見極めることです。 どら焼きと消費期限の違いを理解する上で鍵となるのが、食品の傷みやすさを示す指標である「水分活性」と製造工程です。
賞味期限は、品質が急速に劣化しにくい食品に表示され、「未開封で所定の保存方法を守った場合に、すべての品質が十分保持される期限」を指します。一方の消費期限は、概ね5日以内に品質が著しく劣化する食品に表示される「安全に食べられる期限」です。
一般的なスーパーやコンビニ、大手菓子メーカーが流通させているどら焼きの多くには、脱酸素剤(エージレス等)とともに気密性の高いフィルムで個包装され、「賞味期限」が設定されています。これらは工場の徹底した衛生管理のもと、微生物の増殖を抑える包装技術が施されているため、数週間から1ヶ月程度の日持ちが可能です。 対照的に、有名和菓子店が店頭で毎朝焼き上げる出来立てのどら焼きや、生クリームを使用した「生どら焼き」には「消費期限」が記載されているケースが主流です。保存料を含まず、皮の水分量を多く残した贅沢な仕立てであるほど、菌の繁殖スピードは跳ね上がります。消費期限と印字されている商品については、日付が過ぎた時点で作られた安全マージンが消滅していると捉えるのが、食品衛生学上の大原則です。