つり輪の勝敗は、演技の難しさを示す「Dスコア(Difficulty:難度点)」と、美しさや正確性を評価する「Eスコア(Execution:実施点=10点満点からの減点方式)」の合計で決まります。特にトップレベルの争いでは、Eスコアをいかに高く保つかがメダルの色を決定づけます。
採点における最大のポイントが、つり輪静止技減点理由の代表格である「静止時間の不足」と「身体の傾き・揺れ」です。国際体操連盟(FIG)のルール上、静止技は「完全に止まった状態で丸2秒間保持」しなければ技として認定されません。1秒未満で動いてしまった場合は技そのものが認められず、Dスコアが大きく削られる致命傷になります。
さらに、わずか数度の肘の曲がりや腰の反り、ワイヤーの揺れに対しても、0.1点〜0.3点の小・中過失減点が容赦なく科されます。腕をプルプルと震わせるだけでも「コントロール不足」とみなされるリスクがあるため、選手たちは極限の乳酸地獄の中でも無表情を貫き、完璧な静止を演じ切る必要があります。