梅田の巨大ターミナルは、国内でも屈指の防犯カメラ密集地帯だ。しかし、犯人はその死角を熟知していたかのように動いた。百貨店を出た後の足取りは一時途絶え、複数の地下街や私鉄の連絡通路を複雑に乗り継ぐことで、追尾を撒こうとした形跡が見られた。捜査員は数千時間に及ぶ監視カメラ映像を1秒単位で泥臭く解読する作業を継続した。
捜査の突破口となったのは、現場周辺のゴミ箱から発見された空のスプレー缶と、近隣店舗の決済履歴だった。防犯カメラに映り込んだ不自然な服装の人物が、事件直前に特定のドラッグストアやオンラインで護身用具を購入していた履歴が特定されたのだ。デジタルフットプリントと実地捜査の融合が、潜伏先のアパートへと警察を導き、緊迫の逮捕劇へと繋がっていった。