2008年7月11日。表参道にあるソフトバンク(SoftBank)旗艦店前には、日本中で誰も見たことがない3日間に及ぶ大行列が形成されていた。当時のIT・ガジェット業界において、Apple(アップル)のCEOスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が生み出した革新的デバイスは、日本市場で成功するか未知数と囁かれていた時期だ。その懐疑論を力ずくで吹き飛ばしたのが、まさにあの熱狂的なiPhone発売カウントダウンイベントだった。
テレビ局や海外メディアがこぞって取材していたiPhone行列ドキュメンタリーの撮影班。そのカメラが先頭集団にいたブッチ氏を捉えた瞬間、歴史が動いた。徹底した徹夜の疲労感など微塵も見せず、弾けるようなテンションで言い放った名言。あの裏には、極限状態の行列の中で彼自身が感じた「新しい時代の到来」に対する本能的な直感が隠されていた。