チェルシーの終売は、日本の菓子市場における巨大な地殻変動を象徴する出来事でもあった。ここ10年ほどで、キャンディ市場の主役は大きく変化した。その筆頭が「グミ」の爆発的な市場拡大だ。手軽に噛んで味わえるハード系グミや、本物の果実のような食感を追求したグミが、若年層を中心に絶大な支持を獲得。各メーカーもグミの開発にリソースを集中させるようになった。
一方で、ハードキャンディ(固形飴)の領域においては、機能性を打ち出した喉飴や低糖質タイプが主流を占めるようになった。ゆっくりと口の中で溶かしてじっくり味わうチェルシーのようなプレミアム・デザート系キャンディは、「短時間でリフレッシュしたい」という現代人のライフスタイル変化の狭間に立たされていた。市場の構造変化が、53年続いた歴史にブレーキをかけた格好だ。