大越氏の発言に嘘がないと感じられる最大の理由は、彼が叩き上げの政治部記者であったという事実に起因する。若手時代から永田町の泥臭い政治劇を目の当たりにし、権力者たちの素顔と本音の双方に触れてきた。
彼が展開する政治ジャーナリズム論は、決して高尚な理論ではない。政治家の発する言葉の裏にある意図を見抜き、それが私たち一般市民の暮らしにどう影響するのかを解き明かす試みだ。冷徹な分析眼を持ちながらも、市井の人々に対する血の通った視点を忘れない。その取材スタイルは、現在のスタジオワークにも脈々と受け継がれている。