山田ルイ53世(本名:山田順太郎、兵庫県三田市出身)が文筆界に大きな衝撃を与えたのが、雑誌『新潮45』で連載されたノンフィクション『一発屋芸人列伝』です。レイザーラモンHG、ムーディ勝山、コウメ太夫、波田陽区といった、同じ時代を駆け抜け世間から「一発屋」の烙印を押された同期や先輩芸人たちの栄光と挫折、そしてその先にある矜持を徹底的な当事者目線で描き出しました。
この作品は単なる楽屋ネタの暴露本ではなく、人間の本質や資本主義社会における大衆の残酷さ、そして芸人の業を浮き彫りにした傑作ルポルタージュとして文壇から激賞されました。その結果、2018年に第24回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞するという、お笑い芸人としては極めて異例の快挙を成し遂げています。
自著の中で山田は「世間は一発屋を『死んだもの』として笑うが、彼らには家族があり、今日も生きている」と綴っています。冷徹な観察眼と、同業者への温かなリスペクトが共存する文章力は、文春オンライン、withnews、各種全国紙での書評連載などへと広がり、現在の文筆家としての不動の評価につながっています。