「疑惑の総合商社」というフレーズが指していた人物は、当時自民党の実力派代議士として絶大な影響力を誇っていた鈴木宗男衆議院議員(元内閣官房副長官・北海道開発庁長官)です。そして、この鋭い言葉を投げかけたのが、当時社会民主党(社民党)の政調会長を務めていた辻元清美衆議院議員でした。
発言の舞台となったのは、2002年(平成14年)2月20日の衆議院予算委員会です。当時、小泉純一郎内閣のもとで外務省を巡る数々のスキャンダルが表面化し、外相を務めていた田中眞紀子氏の更迭劇なども重なって国会は極度の緊張状態にありました。
辻元氏は鈴木氏の証人喚問を求める質問のなかで、北方領土支援事業への介入、政府開発援助(ODA)を巡る利権、外務省職員の人事への口出しなど、多方面にわたる不正疑惑を次々と列挙。その際、鈴木氏の政治手法を痛烈に批判する決め台詞として言い放ったのが次の発言でした。
「あなたはね、単なる疑惑のデパートじゃない。いろんな公共事業や外務省の利権、人事まで手を出している、まさに『疑惑の総合商社』なんですよ!」
この模様はNHKの国会中継を通じて全国に生放送され、新聞の見出しやワイドショーを一気に席巻することになりました。