広大な外洋を回遊するマグロの正確な年齢は、どのように割り出されているのでしょうか。魚類学において最も確実な測定法とされているのが、頭骨の内部にある平衡感覚器官「耳石(じせき)」を使った年齢査定です。
炭酸カルシウムを主成分とする耳石には、樹木の年輪と同じように、季節ごとの水温変化や成長速度の違いによって「日輪(1日ごとの層)」や「年輪」が刻まれます。研究機関では、採取した耳石をダイヤモンドカッターで薄さ数十マイクロメートルまで研磨し、顕微鏡やマイクロX線解析を用いて輪紋を正確にカウントします。
この耳石解析技術の進化によって、過去に捕獲された超大型の大西洋クロマグロから推定年齢38〜40歳というマグロの最長寿命記録が科学的に実証されました。ウロコや背びれの骨棘(こつきょく)でも年齢推定は可能ですが、長寿の大型個体になるほど摩耗しにくく狂いの出ない耳石が決定打となります。