万能感の崩壊と孤立。臨床データが示す自己愛性人格障害の衝撃の結末

万能感の崩壊と孤立。臨床データが示す自己愛性人格障害の衝撃の結末

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精神分析や臨床心理学の歴史において、この病理のメカニズムを解き明かした二人の先駆的理論家がいる。自己心理学の創始者ハインツ・コフートは、幼少期における親からの適切な共感や鏡像化の不足が、「健全な自己愛」の発達を阻害したと説く。未成熟なまま取り残された自己は、他者からの絶え間ない称賛という外部からの補給がなければ、精神の形骸化を起こしてしまう。

一方、自ら自己愛者であることを公言し、著述活動を行うサム・ヴァクニンは、さらに踏み込んだ警告を発している。ヴァクニンによれば、彼らは他者のエネルギーや感情を吸い取る存在であり、他者を一人の人間としてではなく、自らの虚栄心を支える「小道具」としてしか認識できない。この病理の根底に存在するのは、逃れられない深淵な自己嫌悪と強烈な虚無感なのだ。

佐々木 一輝
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佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。