赤と白の衣装に身を包んだサンタクロースの起源は、4世紀の小アジア(現在のトルコ南部アンタルヤ県デムレ周辺、当時の都市ミュラ)に実在したキリスト教の司教、聖ニコラウス(Saint Nicholas)です。
聖ニコラウスは裕福な家庭に生まれながら、私財を投じて貧民や孤児を救済し続けた慈愛の聖人として知られています。特に有名なのが、貧困のために身売りを余儀なくされそうになっていた3人の娘を持つ家庭を救った伝説です。彼は夜中に人目を忍んでその家の煙突から金貨を投げ入れ、その金貨が暖炉の脇に干してあった靴下に偶然入ったと伝えられています。この出来事が、現代の「夜中に煙突から入って靴下にプレゼントを入れる」というクリスマスの風習の原点となりました。
聖ニコラウスの伝説はヨーロッパ全土へと広まり、オランダでは「シンタクラース(Sinterklaas)」として独自の祝日(12月6日)と共に親しまれるようになります。その後、17世紀にアメリカへ移住したオランダ人移民を通じて伝播し、英語読みの「サンタクロース」へと変化しました。19世紀から20世紀にかけて商業広告や詩、イラストレーションによって赤い服を着た恰幅の良い白髭の姿へとブラッシュアップされ、現代のイメージが完成しました。