大相撲本場所は、千角の土俵上で繰り広げられる激しい真剣勝負であると同時に、神事としての厳かな側面を持つ伝統芸能でもある。呼び出しの美しい声、行司の装束、土俵祭りの儀式など、洗練された様式美が観客をタイムスリップしたかのような世界へと誘う。
その一方で、アスリートたちが極限の肉体と技をぶつけ合う洗練されたプロスポーツとしても世界中から高い評価を受けている。静寂に包まれた国技館が一転し、横綱の足元がすくわれた瞬間に爆発する大歓声。静と動、格調高さと荒々しい熱量が同居する空間だからこそ、金星が生まれたときの感動は他のスポーツにはない独特の余韻をもたらす。