制作現場の密着取材で見えてきたのは、妥協を一切排した執念のクリエイティビティだ。監督自身が全国100カ所以上のロケーションを自らの足で巡り、光の差し込み方や雨音の響きまでを緻密にロケハンしたという。特に劇中で象徴的に登場する駅のホームのシーンでは、時間の経過に伴う空の色の移ろいをリアルに再現するため、作画工程だけで実に半年以上の歳月が費やされた。
関係者によると、初期プロットの段階ではまったく異なる結末が用意されていたという。しかし、世界情勢の変化や若者を取り巻く環境の急変を肌で感じた制作チームが、土壇場でシナリオの大幅なリライトを決断。葛藤の末に生まれた新たなストーリーラインこそが、観客の心を強く揺さぶる感動のラストへとつながっている。