事件の背後で常に横たわっているのが、ヤングケアラー・老老介護問題という二重の悲劇だ。老いた配偶者を老いた親族が介護する限界、あるいは幼い子供や若者が家事や介護を背負わされる悲惨な実態。家族だけで問題を抱え込み、社会から途絶された密室でストレスは蓄積していく。
ケアマネジャーが家族の異常に気づき介入しようとしても、介入を拒否されたり、逆に虐待や暴力を受けたりするケースは少なくない。家族のSOSを受け止める適切な受け皿がないまま、専門職が最前線で孤立無援の攻撃に晒される。この悪循環を断ち切らない限り、第二、第三の惨劇を防ぐことはできない。