行政の区分だけでなく、学術的なアプローチからもこの分類の正当性が裏付けられている。植物学の視点に立つと、スイカはキュウリやカボチャ、トウガンなどと同じウリ科の1年草植物だ。日本の植物分類学の基礎を築いた巨星・牧野富太郎博士の研究成果を辿っても、草本植物として分類される性質は極めて明確である。木本(木)か草本(草)かという根本的な生態特性こそが、分類の決定打となっている。
また、園芸分野の研究や産業振興を担う日本園芸学会においても、生産・栽培の観点から草本に実る作物は野菜として整理されるのが一般的だ。学会の知見によれば、樹木に実る果実と比べ、畑で育つ草本作物は栽培サイクルや施肥の調整、連作障害への対策などが大きく異なる。つまり、学術的にも農業的にも「草に実る甘い恵み」としての本質が、このユニークな立ち位置を支えているのである。