妊娠期の尿路結石治療において、被ばくを回避する画像診断技術の進化は目覚ましい。従来標準とされていたCT検査やX線検査は放射線被ばくの懸念から原則回避され、第一選択として超音波検査(エコー)が活用される。近年では腎杯の拡張や尿管噴出の有無を精緻に捉える技術が向上しており、腹部への負担をかけずに結石の位置や尿路閉塞の程度を把握することが可能となった。必要に応じて被ばくのない低用量磁気共鳴画像法(MRI)を併用することで、診断精度はさらに高まっている。
治療アプローチにおいては、保存的療法が全体の8割以上を占める。大量の水分摂取と適切な鎮痛管理により自然排石を待つスタイルが基本だが、排石に至らず尿管の完全閉塞や感染症を伴う重症例では外科的介入が検討される。日本産科婦人科学会および日本泌尿器科学会が策定に関わる尿路結石症診療ガイドラインに沿い、局所麻酔下で行われるダブルJステント留置術や、腎ろう造設術などの低侵襲手術が選択される。胎児への麻酔影響を最小限に抑えつつ尿流を確保する手技は、現代の泌尿器科学における先端医療の成果と言える。