街の評価が高まるにつれ、当然ながら開発の波も押し寄せている。駅周辺の老朽化した木造住宅地や旧工場跡地は次々と用地買収が進み、2026年現在、複数のタワーマンションやライフスタイルホテルの建設プロジェクトが進行中だ。
地価の上昇は地元経済にとって追い風である一方、古くからの住人からは「昔ながらの風情が失われるのではないか」という懸念の声も聞かれる。急速な都市化に伴う「ジェントリフィケーション(高級化)」の波に対し、街の固有の歴史やコミュニティをいかに守りながら発展させていくか。九条はいま、その重大な分岐点に立っている。