当時の技術水準からすれば、3Dポリゴンが存在しない時代にリアルタイムで立体的なコーナリングを描画することは至難の業でした。ナムコはこの難題を克服するため、当時の最先端16ビットCPUである「Z8000」を複数搭載した超弩級の専用基板を開発。高速ラスタースクロールとスプライトの拡大縮小機能を駆使することで、滑らかにうねる道路のパースペクティブ表現を実現させました。
視覚的なインパクトに加え、聴覚面での革新も凄まじいものでした。コインを投入するとスピーカーから流れる「Prepare to qualify!(予選を開始してください)」という明瞭な英語の音声合成は、当時のゲーセン少年たちに強烈なカルチャーショックを与えました。さらに、ステアリングの反動(フォースフィードバックの前身となる振動機構)、ハイ・ローの2段シフトレバー、アクセル&ブレーキペダルを備えた大型コックピット筐体は、ゲームセンターを本物のサーキットの運転席へと変貌させたのです。