石原さとみが演じた夏井真琴(澤木千尋)は、当時の日本のTVドラマにおける「ヒロイン像」を根底から塗り替えた。東大理学部という極めて高い知性を持ちながら、面接50社全落ちという挫折を味わい、自分の居場所を探してもがき続ける姿は、視聴者の強い共感を生んだ。
彼女の凄みは、単なる「守られるヒロイン」にとどまらなかった点にある。喜怒哀楽を全身で表現し、時にはなりふり構わず自分の信じる道へ突っ走る。石原が持ち合わせた圧倒的なセリフの説得力と、繊細な感情の機微を瞬時に切り替える演技力があったからこそ、真琴というキャラクターは単なる記号ではなく、血の通った一人の人間として画面の中で躍動したのだ。