デルタナインキッドの経歴を語る上で避けて通れないのが、刑務所への服役経験です。2010年代前半、彼らは生活のため、そして仲間との活動資金を得るために危険な橋を渡り続け、金庫破り(建造物侵入・窃盗)などの容疑で逮捕される事態に至りました。
裁判の結果、実刑判決を受けたデルタナインキッドは、栃木県の喜連川社会復帰促進センターなどで数年間にわたる刑務所生活を送ることになります。自由を奪われた過酷な環境下にあっても、彼の音楽に対する執念が途切れることはありませんでした。独房の中でノートにペンを走らせ、自らの罪や過去の過ち、ストリートの冷徹な現実、そして未来への誓いを綴り続けたのです。
2018年の出所後、獄中で書き溜めた膨大なリリックを携えてスタジオに入った彼は、舐達麻の歴史的傑作となる1stアルバム『GODBREATH BUDDHACESS』の制作に合流します。自らの服役理由や痛切な経験を一切美化することなく、生々しい言葉で芸術へと昇華させた楽曲群は、ヒップホップシーンに凄まじい衝撃を与えました。