ネット上の掲示板や知恵袋、個人ブログを詳細に分析すると、「民間療法や漢方で痔瘻が完治した」と主張する体験談にはいくつかの共通パターンが存在します。
第一に、「痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)との自己診断の混同」です。大阪肛門科診療所などの専門医が指摘するように、排便習慣の改善や保存療法で手術を回避できる痔の多くはいぼ痔や切れ痔であり、これらが改善した経験が「痔瘻が治った」と誤解されて拡散されているケースが後を絶ちません。
第二に、市販薬や漢方薬(排膿散及湯や十全大補湯など)の役割に関する誤解です。これらの薬剤は確かに一時的な炎症の鎮静や排膿の促進、体力回復には一定の効き目を示します。しかし、それはあくまで症状を和らげる対症療法に過ぎず、物理的な管構造を消滅させる根治療法にはなり得ません。医療相談プラットフォーム「AskDoctors」における医師の回答群でも、「抗生物質や漢方で一時的に腫れが引いても、根本治療には手術が必要」という見解が一致した基本方針として示されています。