尾張地区における江南高校の位置づけは、単なる「勉強ができる進学校」にとどまらない。サッカー界においても、常に地区の最前線で主導権を握るトップランナーだ。愛知県内の公立校が私立勢の分厚い層に屈することが多い中、江南高校は毎年のように県大会へコマを進め、上位進出を脅かす存在として恐れられてきた。
歴史的に見ても、同校は安定した強さを誇る。2017年には愛知県高校新人戦で快進撃を見せ、全国高校サッカー選手権大会の愛知県予選でも準優勝という目覚ましい結果を残した。私立強豪校のような特待生制度を持たない公立校が、なぜこれほど継続して高い水準を維持できるのか。その理由は、一貫した指導方針と選手一人ひとりが持つ高い問題意識にある。
勝利だけを追い求めるのではない。かといって、思い出作りで終わるつもりも毛頭ない。ピッチに立つ11人とベンチの部員たちは、勝利という結果を通じて自らの成長を証明しようとしている。その姿勢こそが、江南高校サッカー部のアイデンティティだ。