科学の力で地震を事前に察知することはできないのだろうか。この問いに対して、現代の地震学および気象庁の見解はきわめて明快である。
結論から言えば、現代科学において「〇月〇日〇時にどこで規模〇の地震が起きる」という ピンポイントの地震予知は不可能とされている。プレート内部の歪みや断層の破壊挙動は極めて複雑であり、数分前であっても確定的な発生日時を特定する理論は確立されていない。
気象庁が提供している「緊急地震速報」も、地震が発生した直後に初期微動(P波)を検知して主要動(S波)の到達を数秒から数十秒前に伝えるシステムであり、発生そのものを事前に言い当てる「予知」とは根本的に異なる。現在実用化されている科学的知見は、過去のデータに基づく確率的なリスク評価にとどまっている。