今回の衆議院議員総選挙において、与党の得票数が激減した背後には、長年与党を支えてきた保守層の離脱と無党派層の一斉反旗という決定的な構造変化が存在する。勝敗を分けた致命的要因は大きく分けて3つ存在する。
第一に、物価高騰が直撃する国民生活への配慮不足である。実質賃金が伸び悩む中、実効性のある経済支援策が打ち出されず、有権者の不満は限界値を超えていた。第二に、相次ぐ不祥事に対する説明責任の不徹底だ。党内の自浄作用に対する国民の不信感は、選挙戦終盤に至るまで拭えなかった。そして第三に、野党側による戦略的な候補者一本化が功を奏し、全国の競選区で与党票を切り崩した点である。
また、主要メディアの事前世論調査がこの急変を予測しきれなかった盲点も大きい。固定電話を中心とした従来型の調査手法では、直前まで態度を保留していた若年層や浮動票の最終的な雪崩現象を捕捉できず、結果として事前の楽観論が与党陣営の初動の遅れを招く皮肉な結果となった。