今回のメガヒットを記念して敢行された独占取材において、本人はこれまでの歩みを飄々とした笑顔で振り返った。「芝居をしている瞬間だけが、自分という輪郭を一番はっきりと感じられる」。カメラが回っていない現場ではスタッフと気さくに冗談を交わし、現場のムードメーカーとして振る舞う彼だが、脚本と向き合う時間は完全に孤独なストイックさを貫く。
「正解のない世界だからこそ、現場で生まれる生々しいハプニングを愛したい」。役作りのために体重を過酷に増減させ、日常の生活習慣すら演じる人物に同化させていく狂気じみたアプローチ。飾らない言葉の端々からこぼれ落ちるのは、芝居という底なし沼に魅了され続ける一人の表現者としての剥き出しの純真さだった。