カニエの過去を振り返る上で、元妻キム・カーダシアンの存在を無視することはできない。キムを世界のファッションアイコンへと仕立て上げたのも、間違いなくカニエのスタイリングとプロデュース力だった。当時のキムはハイブランドのドレスを纏い、セレブリティの頂点を極めた。
対照的に、現在のパートナーであるビアンカに与えられているのは、ブランドロゴも装飾もない剥ぎ取られた素肌の美学だ。キム時代のアッパーミドルなラグジュアリーから一転し、ビアンカとともに目指すのは過激でミニマルなディストピア的ビジョン。過去の成功体験を自ら破壊し、新たなミューズとともに次なる領域へ足を踏み入れている。