物語の序盤、相国・呂不韋の懐刀である「呂氏四柱」の筆頭として登場した昌平君。しかし加冠の儀において、嬴政の描く「法治国家による中華統一」という壮大な中華の未来に共鳴し、昌平君の呂不韋四柱からの離反が決断されました。この劇的な陣営移動こそが、秦国が中華統一へ本格的に舵を切る決定打となったのは周知の事実です。
昌平君の凄みは、趙の天才軍師・李牧と互角以上に渡り合う大局観と作戦立案能力だけに留まりません。かつて軍師学校の同門であった側近・河了貂や介億が畏怖するように、その本質は「武力を兼ね備えた軍師」です。嫪毐の乱において反乱軍の猛将・ワテギを一刀両断した場面で見せたキングダムにおける昌平君の武力と強さは、かつて自他共に認める中華最強の巨漢・蒙武を凌駕していた過去すら裏付けています。
メディアミックスにおいてもその圧倒的なカリスマ性は際立っており、実写映画で昌平君のキャストを務めた玉木宏氏の凛とした佇まいや、アニメ版で昌平君の声優を務める諏訪部順一氏の重厚な美声は、原作ファンからも絶大な支持を獲得しています。知勇兼備の完璧な指導者に見える昌平君ですが、その胸中には楚の王族の血を引く公子という、決して拭い去ることのできない出自の闇が横たわっています。