ここで、エンタメ情報を取り扱うネットニュースやSNS言論において頻繁に見られる大きな誤解を是正しなければなりません。それは、「世帯視聴率が一桁=ドラマの爆死」という短絡的なレッテル貼りです。
民放各局の収益構造は、2026年代半ばを経て決定的に刷新されました。現在、大手広告代理店とテレビ局の間で取引される広告枠の価格決定権は、世帯視聴率ではなく「個人全体視聴率」および「新ファミリーコア層」の獲得率に完全に移行しています。60代以上の高齢層がいくら世帯視聴率を押し上げても、耐久消費財やデジタルサービスの購買意欲が高い若年層に届いていなければ、スポンサー企業は出稿価値を認めません。
世帯視聴率が11%であってもコア層が1%台のドラマよりも、世帯視聴率は5%に過ぎないがコア層が4%台を獲得しているドラマの方が、コマーシャルの販売単価は高額になります。さらに、TVerなどによる見逃し配信のデジタル広告収入が加わることで、総収益では世帯一桁の作品が世帯二桁の定番ドラマを圧倒する逆転現象が日常的に起きています。ネット上の「視聴率爆死」という扇情的な見出しは、業界の商慣習を無視した時代遅れのモノサシに過ぎません。