未経験者が最も警戒すべきは、運送会社が掲げる「免許取得支援制度」の裏に潜む違約金トラップだ。
大型二種免許の取得費用(約40万〜60万円)を会社が立て替えてくれるシステムは、一見すると救世主のように思える。だが、契約書には極めて小さな文字でこう記されている。「入社後3年(事業者によっては5年)以内に自己都合退職した場合、費用を全額一括返還すること」。
これが何を意味するか。過酷な中休勤務に耐えかね、乗客の理不尽な怒声に耳を塞ぎ、手取りの少なさに絶望しても、辞めることができないのだ。貯金もない状態で飛び込んだ新人は、数十万円の返済請求に怯え、精神が破綻する限界までハンドルを握り続けることを余儀なくされる。祝い金も同様だ。一定期間の勤務を前提とした「分割支給」であることが大半で、満額を受け取る前に心身が擦り切れてリタイアしていく者が後を絶たない。