高齢者の食欲不振は病気のサイン?急に食べない原因と対策

高齢者の食欲不振は病気のサイン?急に食べない原因と対策

高齢者の食欲不振は病気のサイン?急に食べない原因と対策について見逃せない 事実を分かりやすく解説いたします。

内科的な病気だけでなく、脳と精神のコンディションも食欲と分かちがたく結びついています。一般にあまり知られていない二大要因が、「老年期うつ病」と「認知症に伴う食行動の破綻」です。

高齢者のうつ病は、若年層のように「悲しい」「落ち込む」といった感情を明確に言葉にせず、食欲不振や不眠、頭痛、全身の倦怠感といった身体症状として表面化する「仮面うつ病」の形態を頻繁にとります。配偶者との死別、自身の健康不安、近隣との人間関係の喪失などを機に「食べる気力が根こそぎ失われる」ケースがあり、これは抗うつ薬や精神的ケアを行わない限り、食事の工夫だけで解決することは不可能です。

一方、認知症が進行している場合、「お腹が空いているのに目の前のものが食べ物だと認識できない(視覚失認)」、「箸やスプーンの使い方が分からず手が止まる(失行)」、「一口量を調整できずに口に詰め込みすぎて窒息しそうになる」といった事態が起こります。食べないのではなく、「どう食べていいのか脳が処理できていない」状態です。

さらに見逃せないのが、喉の筋力低下に伴う嚥下機能障害です。高齢者は喉仏を押し上げる筋力が衰えるため、嚥下時に気管のフタ(喉頭蓋)が閉まりきらず、水分や食材が気管に入りそうになります。本人は無意識のうちに「飲み込むと息苦しい」「喉に張り付いて痛い」という不快感を経験しており、その恐怖心から食事を拒絶しているケースが極めて多いのです。この状態を無理に放置して食べさせると、食べ物や口腔内細菌が肺に入り込み、命を脅かす誤嚥性肺炎を引き起こす決定打となってしまいます。

佐々木 一輝
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佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。