村田充という俳優の根底には、徹底した職人気質が流れている。かつて『仮面ライダー響鬼』などで見せた怪異かつスタイリッシュな佇まいは、特撮ファンの枠を超えて多くのクリエイターを魅了した。舞台芸術の世界において、彼は言葉少なに背中で語るタイプだった。肉体の限界まで役柄を研ぎ澄まし、ステージ上の空気を一変させる怪優。そんな彼の妥協のない姿勢に、誰よりも強いシンパシーを抱いたのが沙也加だった。
彼女自身、幼少期から注がれる世間の視線と闘いながら、自らの喉と肉体一つで実力を証明してきた人間だ。親の七光りという理不尽な偏見を、圧倒的な歌唱力と緻密な演技プランでねじ伏せてきた。そんな二人が惹かれ合ったのは必然だったと言える。互いに表現という名の業を背負い、舞台の上でしか息ができない不器用さを、誰よりも理解し合えたからに他ならない。