こうした破天荒なCM群は、決して思いつきで作られているわけではありません。日清食品の宣伝部と、電通をはじめとするトップクリエイティブエージェンシー、気鋭のアニメーション制作会社がタッグを組み、緻密な意図を持って制作されています。
日清CMの制作陣が貫くクリエイティブの原則には、以下のような特徴があります。
・ファースト3秒でのフック:スキップやチャンネル変更を防ぐため、冒頭から不気味な音や異常なビジュアルを配置する。
・情報の多重構造:一度見ただけでは理解できない細かな小ネタを背景に散りばめ、コマ送り再生や解説ツイートを促す。
・自虐と自己パロディ:自社製品の弱点や過去の失敗すらもネタにし、企業の「上から目線」を徹底的に排除する。
制作側は、受け手に違和感や引っかかりを残すノイズをあえて仕込んでいます。滑らかで心地よい映像が溢れる現代だからこそ、ザラリとした異物感のある映像体験が、結果として消費者の脳内に強烈なブランド想起を焼き付ける仕組みとなっています。