1974年にデザインされ、1975年に第1号グッズであるビニール製の小銭入れ「プチパース」(当時価格200円)が発売されたハローキティ。デザイナーの清水侑子氏によって生み出されたこの白い子猫のキャラクターは、誕生当初から現在に至るまで、極めて緻密なコンセプトを持っています。
世界中で議論を呼んできた「なぜキティには口が描かれていないのか」という問いに対し、歴代のサンリオ関係者や3代目デザイナーの山口裕子氏は明確な答えを示しています。それは、「見る人が自分の感情を自由に投影できるようにするため」です。嬉しいときには一緒に喜んでいるように見え、悲しいときには静かに寄り添って悲しんでくれているように見える――すなわち、受け手の心情を受け止める「心の鏡」としての役割が意図されています。
また、サンリオ公式が「ハローキティは猫をモチーフにしているが、猫そのものではなく、擬人化されたロンドン郊外に住む女の子」と定義している点も、ファンとの対等なコミュニケーションを成立させるための重要なアイデンティティとなっています。