日本中に空前の占いブームを巻き起こした核心には、彼女独自のアプローチである「六星占術」が存在する。土星人、金星人、火星人といった運命星に基づく分類と、誰しもに訪れるとされる低迷期「大殺界」の概念は、日本人の人生観や日常会話にまで深く浸透した。書籍はミリオンセラーを連発し、年末年始の売上ランキングを独占し続けた。
「大殺界だから結婚は延期すべき」「今動くと破滅する」——。占い師としての彼女の発言は、単なるアドバイスの域を超えて社会の行動心理すら左右した。しかし、その強烈な宣託が人々に与えた恐怖と希望の裏には、緻密に計算された演出と、人間心理を巧みに掌握する直感が隠されていた。今回の作品では、彼女がどのようにして占術の権威を築き上げたのか、そのロジックと冷徹なマーケティング戦略の真実にも光が当てられている。