杏とヤマトの出会いは、日本での保護犬引き取り活動にさかのぼる。悲しい生い立ちを持つ保護犬に対して、彼女は一貫して深い理解と温かな愛情を注いできた。事務所のトップコートに所属しながら過密スケジュールをこなしていた日本時代も、犬と過ごす時間は彼女にとってかけがえのない精神的支柱であった。
フランスは動物愛護の精神が極めて高く、公共交通機関やレストランへの犬の同伴が広く認められている。日本以上に「家族の一員」として自然に社会へ溶け込める環境は、ヤマトにとっても大きな変化だった。広い公園をのびのびと走り回り、表情がみるみる明るくなっていく愛犬の姿に、杏自身も大きな救いを得たという。