ミュージシャンと違法薬物をめぐる問題は、単なる個人の過失にとどまらず、音楽ビジネス全体を揺るがす深刻な事態へと発展します。捜査関係者の証言によると、厚生労働省麻薬取締部(通称マトリ)や警視庁は、数ヶ月から年単位に及ぶ内偵捜査を経て家宅捜索や現行犯逮捕に踏み切るケースがほとんどです。
近年の摘発事例では、従来の覚醒剤やコカイン、大麻にとどまらず、指定薬物や規制が強化された危険ドラッグ・合成カンナビノイド類への抵触も目立っています。取り締まり法の改正に伴い、本人が「合法だと思っていた」と釈明しても通用しないケースが増加しており、法的な包囲網はかつてないほど厳格化しています。
逮捕の一報が入ると、所属事務所による即座の契約解除、全国ツアーの中止、広告・タイアップの差し止めがドミノ倒しのように発生します。突如として表舞台から姿を消すこととなった経緯の裏には、水面下で進められていた綿密な内偵と、決定的な証拠確保が存在しているのです。