桐島の死と身元の判明は、多くの人々に複雑な感情をもたらした。特に、1974年の三菱重工ビル爆破事件をはじめとする連続企業爆破事件の被害者遺族にとって、彼の死による幕引きは決して納得のいくものではなかった。法廷で罪を裁く機会は永遠に失われ、事件の真相や動機は闇に葬られたからだ。
一方で、桐島の親族もまた、突然突きつけられた「身内の過去」に困惑し続けている。数十年間、生死すら分からなかった親族が、日本中を震撼させた指名手配犯として現れ、そして死んでいった。その遺骨の引き取りを拒否せざるを得なかった親族の葛藤もまた、この事件が残した深い爪痕の一つである。