空間オーディオ技術(3Dオーディオ)の普及も、この音響的アプローチを後押ししている。立体的な音響空間の中で、重低音(サブベース)の位置決めは楽曲の立体感を左右する重要な要素だ。C♭という周波数帯は、ウーファーやハイエンドイヤホンで再生した際に、人間の骨に伝わる振動感覚と鼓膜で聴く空気振動の境界線上に位置する。
エンジニアたちは、ベースラインの基音にこの音を配置することで、聴き手の頭内定位を意図的に揺さぶる。ただ重いだけの低音ではなく、耳の奥を撫でるような不可思議なプレッシャーを与える手法は、クラブイベントやVRライブ空間での没入感を跳ね上げる特効薬として重宝されている。