日本国内に目を向ければ、この系統の最高峰として君臨するのが国民的大ヒットドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』だ。主演の米倉涼子が放つ「私、失敗しないので」という決め台詞は、日本のテレビ史に刻まれるパワーワードとなった。組織の権力闘争や古い慣習を完全に一蹴し、患者の命を救うことだけに純粋な情熱を注ぐ姿は、日本のお茶の間に強い爽快感を提供し続けてきた。
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌う外科医・大門未知子。彼女の突出した強さは、他者を見下すための攻撃性ではなく、自らの技術に対する絶対的な自負から生まれている。米倉涼子が体現したこの力強いヒロイン像は、同調圧力が根強いとされる日本の視聴者心理に直球で響き、時代を超えた普遍的なヒーロー像を確立した。